TITANS OF CREATION / TESTAMENT

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レビュー

ベイエリア・スラッシュメタルの重鎮、テスタメントの4年ぶり、13枚目のアルバム。作風としては前作の延長線上にあたる。ただし、ボーカル、チャック・ビリーの歌唱方法にやや変化しており、前作に比べると少しメロディアスというか、語弊があること承知で書くなら「歌っている」という印象。ライブなんかで合唱することを見越しているかのようなフレーズも多く見られ、#1「Children of the Next Level」や#3「Dream Deceiver」、#7「Symptoms」などは特にその印象を強くうける。




最初聴いたときは圧倒するような勢いあふれる印象だったし、それは何回か聴き直してもその通りだとは思うが、じっくり聴いてみるとそこまで早い曲が多いわけではないことに気づく。一見早いように感じても、よくよく聴くとそこまででもないと言った感じ。#4「Night of the Witch」なんかはその代表例。そこから#5「City of Angels」、#6「Ishtar’s Gate」、#7「Symptoms」、#8「False Prophet」と思わず走り出したくなるような疾走ナンバーとまでは言えない楽曲が続き、やや中だるみ気味ともいえる。#9「The Healers」も曲中いくつか手数の多いフレーズはあるものの、歌唱自体はゆったりなのでそこまで早くは感じない。こういう風に書いていると、ゆったりで退屈であるかのように思うだろうが、適度に緩急はついており、所々のスリリングで少々オリエンタルな要素も持つギターソロがいいアクセントとなっているので、聴いていると不思議と退屈はしない。





終盤#10「Code of Hammurabi」で多少テンポが上がった後、これまでの鬱憤をはらすかのように#11「Curse of Osiris」が本アルバム一の疾走ナンバーとなっている。ここでスッキリと終わってもいいのだが、他バンドならアルバム冒頭に置く重々しいインスト曲#11「Catacombs」を最後に持って来ている。ここでもう一回1曲目に戻っても何も違和感がない。まるで曲順を間違えたかのようだが、このおかげで意識が本作に向いたまま、不思議な余韻に浸ることができる。




もう1曲くらい疾走系のキラーチューンがあってよかったかもしれないが、これはこれで心地よく音圧に浸れる。それでいてシンガロング的なメロディも多いので、意外と気持ちよく聴いていられる一枚。

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アルバム情報

リリース:2020/3



メンバー:
Chuck Billy – Vo.
Eric Peterson – Gt.
Alex Skolnick – Gt.
Steve DI Giorgio – Ba.
Gene Hoglan – Dr.

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