【レビュー】St. Anger / METALLICA

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レビュー

METALLICAの8枚目のスタジオアルバム。
前作の”LOAD”、”RELOAD”がなかなかの問題作でしたが、ある意味本作はそれ以上dといえます。


最大の特徴として、「ギターソロが存在しない」ということです。
(こらそこ、カークが空気とか言わない)

全体的に、同時期に流行した”ヘヴィロック”、”ニュー・メタル”の影響をもろに受けた作風で、叙情性あるメロディとかドラマティックな展開などのMETALLICAの特徴はなくなり、ひたすらリフをかき鳴らす、感情剥き出しの雰囲気です。

アルバムジャケット見ても、なんだかメタルアルバムっぽい感じはしないですよね。

ただそうは言っても、やはりそこはMETALLICA。
展開そのものは先述の通りドラマティックというほどでもないですが、絶妙に緩急をつけて単調にならないようにはなっています。
パッと聴いた感じはそんなに感じないんですけどね。


ギターの音も従来ドンシャリサウンドとはまた違った、ちょっと野暮ったい感じに聞こえますね。
その洗礼されていない感じも、”感情剥き出し”という作風にはあっていると思います。


なお下記メンバーみてわかりますが、ベースのジェイソン・ニューステッドはこのアルバムに参加していません。

本作の前にバンドを脱退しており、後任のベーシストが見つからなかったため仕方なく、プロデューサーのボブ・ロックがベースを弾いています。

ジェイソン脱退について、オフィシャル的には「サイドプロジェクトが見つからなかったから」となっていますが、加入後すぐに行われていたとされるジェイムズとラーズからの冷遇(もとい”いじめ”)が原因とも言われています。

また本作作成中、ジェイムズはアルコール依存症のリハビリを受けており、そう言った環境の変化や不安定さが本作のストレートに感情を吐き出す作風に影響を与えているのではないでしょうか?


ちなみに、このアルバムの収録後に元オジー・オズボーンの”ロバート・トゥルージロ”が加入しています。
“St. Anger”のPVには彼出演していますので、多分本作からロバートが参加していると思われる方もいるかも、です。


私が本作で気に入っているのは、アルバムタイトルでもある“St. Anger”ですね。
単調であることが多い本作でが、この曲はタイトル曲でもあるのか気合が入っているように感じ、最初に勢いのあるリフで一気に駆け抜けた後、クリーントーンでのアルペジオとそこまで力の入っていないボーカルでトーンダウン、そこから徐々にスロットルが開いていって、サビでまた勢いを取り戻すという変化が見られますし、何より部分的にですが「早いメタリカ」を感じられるのがいいです。


他にも早くはないですが、オルタネイティブ要素が強く、それがタイトル通りのドロっとした雰囲気を巧妙に演出している“Unnamed Feeling”も好きです。


今となっては本作から演奏される曲は非常に少ないですし、あまり”METALLICAのアルバム”って感じがしないので賛否両論だとは思いますが、個人的にはここで見せた力溢れるリフを作成したことで、自作以降の原点回帰につながったのではないのかな?と思っております。


Metallica メタリカ / St. Anger 【SHM-CD】

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アルバム情報

リリース:2003/6/5
レーベル:Elektra

収録曲:
1. Frantic
2. St. Anger
3. Some Kind of Monster
4. Dirty Window
5. Invisible Kid
6. My World
7. Shoot Me Again
8. Sweet Amber
9. The Unnamed Feeling
10. Purify
11. All Within My Hands

メンバー:
James Hetfield – Vo. Gt.
Kirk Hammet – Gt.
Lars Ulrich – Dr.

プロデューサー;
Bob Rock

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