【レビュー】SLAUGHTER OF THE SOUL / AT THE GATES

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レビュー

メロディックメタル界のレジェンド、At the Gatesの4枚目のスタジオアルバムにて、メロディックデスメタルのバイブルというべきアルバムです。


サウンドはかなりダークで凶暴ですし、リフも強烈なインパクトがあります。


しかしそこに叙情性溢れるメランコリックなメロディが共存し、まさに「メロディックデスメタル」がなんなのかを体現しているかのような内容となっています。


しかもこれを実現したのが1995年!


つまりはメロデスの超最初期のアルバムです。


それなのに今聴いてもまったく古臭さを感じさせず、すでにメロデスの完成形を見ているかのようです。


そのため彼らAt the Gatesは初期In Flamesや、Dark Tranquillityとならびメロデスというジャンルを作り上げた先行者として、今でも多くのバンドにリスペクトされています。


この音楽性自体は前作”Terminal Spirit Disease“にてすでに形となっていますが、本作はそれをさらに一歩推し進めて、より凶悪な作品として完成されています。


ボーナストラックを除けば11曲ありますが、それをたった34分で駆け抜ける様はSLAYERの”REIGN IN BLOOD“を彷彿させますね。


しかしその34分という短い時間しかないとは思えないくらい、豊富なリフが次から次へと展開されるため、聴き終わったら十分お腹いっぱいになること間違いなしです。

1曲目”BLINDED BY FEAR
金属的サウンドを主体としたイントロから一気に加速。
そのまま勢いよく駆け抜けますが、スラッシュメタルとはまた違った疾走感。
疾走感ありつつも、どこかダークな感じが早くもAt the Gates節を効かせているなぁと感じます。
中盤の陰鬱な雰囲気の間奏も曲にメリハリがついていてGood!

2曲目”SLAUGHTER OF THE SOUL
出だしの「GO!」の掛け声最高。
1曲目からややテンポを落としてはいますが、ミドルテンポとまではいかないかな〜?いくかな〜?くらいの感じ。
でも勢いが全く衰えないので、体感的にはそこそこの速さには感じますね。
より叙情的な雰囲気を強調しているようには思いますが、きちんと攻撃性も共存しております。

3曲目”COLD
徐々的ながらもダークなリフを主体とするところは2曲目と同じですけど、途中挟み込まれるクリーンアルペジオやギターソロにてよりメリハリをはっきりとつけています。

4曲目”UNDER A SERPENT SUN
冒頭のフレーズは血を這うような邪悪な感じがしていますが、そこから続くメロディはやはり退廃的な魅力を有しています。

5曲目”INTO THE DEAD SKY
ものすごく陰鬱な感じのするアコースティックのインスト曲。
アルバム全体のインターミッション的な立ち位置。


6曲目”SUICIDE NATION
はい、ただいまです。
特有のメランコリックな雰囲気は一応保ってはいますが、先ほどの曲との対比もあってかなり勢いづいているように感じます。
ただ単体で聞いた場合はまだメロディ寄りかなぁって感じ。
あとちょっと跳ねるようなリズムもあって、少しキャッチーな感じもなくはない。

7曲目”WORLD OF LIES
イントロは割とノリのいい感じだったけど、油断していたら一気に攻撃性全開となっている。
そこから流れるようにメロディ主体のフレーズへ。
フレーズごとを切り取ると割と違う印象がありますが、それをごく自然につなげています。
メロディの臭さとリフの攻撃性の両立と言ったら本作のなかでも上位に入るかと。

8曲目”UNTO OTHERS
地を這うような暗くも勢いのあるリフからスムーズにAt the gates節溢れる叙情的なフレーズへと流れていく。
全体で見ればメロディが印象的ですが、十分攻撃性あり。

9曲目”NAUSIA
リフの凶悪性本作1位。
これもスラッシーというにはちょっと違うけど、とにかく音が迫ってくる感じが圧倒的。
その後割とゆったりとメロディが流れるフレーズがありますが、そのバックのドラムが変わらず早いリズムのままなので、物悲しいメロディの割には駆り立てられるような印象の楽曲。
本作ではもっともお気に入りの楽曲です。

10曲目”NEED
一個前のNAUSIAに並ぶ凶悪なリフですが、こちらはメロディメインのフレーズではバックのドラム(NAUSIAに比べたら)ややゆっくりとなりますので、メリハリがついているように感じます。

11曲目”THE FLAMES OF THE END
シンフォニー系のシンセサウンドが特徴的なインスト曲。
アルバム自体のエンディングとも言える曲ですが、かなり物悲しいというか、退廃的。その中に不気味さもあります。
いままでアグレッシブな曲でほとんど構成されていたのに、最後にこういった曲で締めることでかなり余韻が残ります。

このほかにもボーナストラックとしてSLAHGHTERLORDの”LEGION“、SLAYERの”CAPTOR OF SIN“といったカバー曲が収録されていますが、どちらもカバー曲と言わなければわからないくらい本作にマッチしています。


メロディックデスメタルを今から聴き始めるのであれば、まずは本作から聞いてみることを強くお勧めします。

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アルバム情報

リリース:1995/11/14
レーベル:Earache

メンバー:
Tomas Lindberg – Vo.
Anders Björler – Gt.
Martin Larsson – Gt.
Jonas Björler – Ba.
Adrian Erlandsson – Dr.

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