【レビュー】THE LEGACY / TESTAMENT

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レビュー

ベイエリア・スラッシュメタルの重鎮、テスタメントの記念すべきデビューアルバム。


テスタメントは1983年、ギターのエリック・ピーターソンを中心として結成された。結成当時のメンバーは後にエクソダスのボーカルとなるスティーブ・ゼトロ・スーザ、エリックのいとこのデリック・ラミレス、ベースのグレッグ・クリスチャン、ドラムのルイ・クリメンテとなっている。また、バンド名も当時は「Legacy(レガシー)」と名乗っていた。しかし結成直後にバンドメンバーが入れ替わり、まずグレッグが脱退し、代わりにマイク・ロンシェットが加入。さらにデリックもいなくなり、代わりにアレックス・スコルニックが加入した。やっとのことでメンバーが固まり、1985年にセルフタイトルのデモを作成する。しかしその翌年1986年にスティーブがエクソダスに加入するためにバンドを脱退。代わりにチャック・ビリーが加入することになる。


こうしたゴタゴタを乗り越えて、ようやく1986年にあのメタリカやアンスラックスを世に輩出したメガフォース・レコーズと契約、ようやく1stアルバムのレコーディングに入った。しかしここでもまた問題が起きる。「レガシー」という名前が既に他のバンドでも使われていることがわかり、しかもそちらの方が知名度があったのだ。そういったわけでデビュー前にバンド名変更を余儀なくされ、結果今日我々がよく知る「TESTAMENT」とバンド名を改名した。


結成からリリースまで数々の問題を乗り越えてきた彼らが送りだりした1stアルバムこそ、今回紹介する「THE LEGACY」である。つまり改名前のバンド名をアルバムタイトルとして採用している。これは改名前のバンド名に愛着があったこともあるだろうし、本作の収録曲はそのLEGACY時代にバンドを離れたメンバーが書いたり携わった曲が多いということもあるだろう。例えば全9曲中、元ボーカルのスティーブが作詞でクレジットされているのは何と6曲。また#5「C.O.T.L.O.D.」の作曲にはデリックが関わっていいる。このように、本アルバムは「TESTAMENT」のデビュー作であると同時に「LEGACY」としての集大成でもある。だからこそ、このアルバムタイトルは「THE LEGACY」であって然るべきなのである。


さてアルバムの内容自体はというと、やはりいろいろと四苦八苦した彼ららしく、良質なスラッシュメタル・チューンで埋め尽くされている。
#1「OVER THE WALL」はいきなりトップギアで入る、これぞスラッシュメタルというナンバー。ただし節々早くもテスタメント特有のメロディアスさが感じられる。#2「THE HAUNTING」はベイエリアスラッシュメタルらしい、ザクザクと刻みながらもどこか陽気なフレーズが特徴。#3「BURNT OFFERINGS」は彼ららしい、独特のメロディを前面に押し出した楽曲。それに比べて続く#4「RAGING WATERS」はタイトルに負けず劣らずの直球スラッシュメタル・ナンバー。#5「C.O.T.L.O.D」も同様のファストチューン。#6「FIRST STRIKE IS DEADLY」と7「DO OR DIE」も同様のザ・スラッシュメタルといった勢いのある楽曲だが、最初期のスラッシュメタルらしい、まだNWOBHMの香りが少し残っている感じ。#8「ALONE INT THE DARK」はそのNWOBHMっぽさをさらに強調している。ラスト#9「APOCALYPTIC CITY」少し陰鬱なアルペジオから始まるが、すぐにスラッシュメタルアルバムらしいフルスロットルのラストとなっている。

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アルバム情報

リリース:1987/4/21


収録曲:
1. OVER THE WALL
2. THE HAUNTING
3. BURNT OFFERINGS
4. RAGING WATERS
5. C.O.T.L.O.D.(CRUISE OF THE LEGIONS OF DEATH)
6. FIRST STRIKE IS DEADLY
7. DO OR DIE
8. ALONE IN THE DARK
9. APOCALYPTIC CITY


メンバー:
Eric Peterson – Gt.
Alex Skolnick – Gt.
Greg Christian – Ba.
Louie Clemente – Dr.
Chuck Billy – Vo.

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