SHOW NO MERCY /SLAYER

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レビュー

他のスラッシュメタル界のBIG4、メタリカ、メガデス、アンスラックスがそのキャリアの中で音楽性を変化させていき、スラッシュメタルとは違う音楽性を提供する中で、唯一最初から最後までスラッシュメタルを貫き通した帝王・スレイヤー。その記念すべき最初のアルバムである。

 

当時はLAメタル(ヘアメタルとも)が一世を風靡していた時代。そんな中恐怖や戦争、死、黒魔術といったおどろおどろしい内容で、しかもきらびやかさとは真逆の音楽性である本作は当然衝撃を与えた。このアルバムリリースされる数ヶ月前に、メタリカの「キル・エム・オール」がリリースされている訳だが、本作はそれよりも過激であるがゆえ、もっとコアな層から支持されていたらしい。

 

このアルバムがリリースされることとなったきっかけは、彼らがロサンゼルスのクラブで「Bitch」というバンドの前座をしていた時、彼らが演奏するアイアン・メイデンの「Phantom of the Opera」をたまたまメタル・ブレード・レコードのブライアン・スラゲルという人物が聞いており、その演奏を聴いた彼がデビュー話を持ちかけたとのこと。そこからのちに「帝王」と呼ばれる超大物メタルバンドに成長する訳だから、ブライアンの見る目は非常に優れていたと言える。しかも、本作は当時のメタル・ブレード・レコードで最も売れたアルバムとなった。デビューしていきなりこの業績を達成したのだから、当時から現在のカリスマ性を持ち合わせていたのだろう。

 

本作の作風だが、先にも述べた通り歌詞の内容は非常にアンダーグランドな内容となっている。
1曲目「EVIL HAS NO BOUNDARIES」はいきなり超スピードのリフから始まり、いきなりこのアルバムの持つ攻撃性を提示している。

 

ただ先述しているが、アイアン・メイデンはじめとするNWOBHMのカバーをしていたということで、そこからの影響を見られる曲がいくつかある。というか、大体そのような傾向にある。2曲目「THE ANTICHRIST」や5曲目「METALSTORM/ACE THE SLAYER」、7曲目「TORMENTOR」、などが顕著であろう。9曲目「CRIONICS」にいたっては「これはスレイヤーなのか?」という、まんまNWOBHMのツインギターソロを聞くことができる。

 

しかし4曲目「FIGHT TILL DEATH」や6曲目「BLACK MAGIC」のように後のスレイヤーのような、スラーなどなくひたすら16分をオルタネイトで叩きつけるリフだったり、間奏の怪しげなフレーズが見られ、すでにスレイヤーとしてのスタイルはこの時すでに持っていたことがわかる。

 

後のスレイヤーのアルバムとは印象が異なるものの、確かに「スレイヤーらしさ」は感じられる歴史的1枚。

 

 

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アルバム情報

リリース:1983/12/3

収録曲
1. EVIL HAS NO BOUNDARIES
2. THE ANTICHRIST
3. DIE BY THE SWORD
4. FIGHT TILL DEATH
5. METALSTORM/ACE THE SLAYER
6. BLACK MAGIC
7. TORMENTOR
8. THE FINAL COMMAND
9. CHRIONICS
10. SHOW NO MERCY

メンバー

Tom Araya – Vo. Ba.
Kerry King – Gt.
Jeff Hanneman – Gt.
Dave Lombardo – Dr.

 

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