DOOMSDAY MACHINE / ARCH ENEMY

レビュー

アーチエネミーの6枚目のアルバム。前作がアメリカ市場を狙った、分かりやすくシンプルな作品であったからか、今作では再び複雑な構成の楽曲が多くなった。


作品の雰囲気としては、ややドライで色の無い感じをベースとして、そこにメロディで部分的に色付けしているような感じ。聴く人によっては本作のほうが前作よりダークなイメージを持つと思う。これまでの先品は「アグレッシブとメロディアスが混在している」と行った感じだが、今作はアグレッシブな部分とメロディアスな部分がはっきりと分かれていて、それぞれがきちんと役割分担しているように感じる。サウンド面でもやはり前作が少々すっきりし過ぎていたのを踏まえてか、やや前前作に近いようにアプローチしているみたい。しかし逆にエアー感溢れていたり、音の輪郭がまるでわからないといったこともなく、まだ割とすっきりとしている方。#4「MY APOCALYPSE」がこの特徴を一番わかりやすいかも。


また本作を語る上で外せないのが#3「NEMESIS」の存在であろう。キレッキレのイントロ、シンプルながらもパワフルなリフ、柔らかなメロディと、このバンドのあらゆる特徴がバランスよく盛り込まれている。ライブでも大抵ラストで演奏され、数あるメタル界のアンセムのうちの一つである


その他の楽曲についても触れると、#1「ENTER THE MACHINE」はタイトル通りのアルバム全体のイントロ。ここで壮大な幕開けをして続く#2「TAKING BACK MY SOUL」は跳ねるようなリズムのリフからサビでの叙情的なメロディ、そして中盤の疾走ガンあるソロと、早くも前作との違いが見てとれる。そして先述の#3「NEMESIS」へと続く。その後一転してヘヴィでダークな感じの曲#4「MY APOCALYPSE」、#5「CARRY THE CROSS」と続く。#6「I AM LEGEND / OUT FOR BLOOD」も最初はそういった感じだが、曲の後半部分からどんどん加速していき、先ほどまでの暗いムードといい対比になっている。#7「SKELETON DANCE」も決して疾走系の楽曲というわけではないが、その反面ミドルテンポの非常にパワフルな楽曲。


#8「HYBRIDS OF STEEL」は雄大なイントロのあと、複雑なリズムで進行していくプログレッシブなインスト曲。そのまま流れるように#9「MECHANIC GOD CREATION」。最初はゆったりとしたテンポだが、この曲も終盤で加速していく感じ。そこから#10「MACHTKAMPF」と本作ではあまり見かけない終始ライトな疾走系の楽曲を挟み、最後#11「SLAVES OF YESTERDAY」にて再びダークでパワフルな雰囲気のなか本作が終了する。



なお本作を持ってギターのクリストファー・アモットが電撃脱退。しばらくはサポートメンバーとしてガス・Gが参加することになる(実は#2「TAKING BACK MY SOUL」でもソロを弾いていたりする)。

アルバム情報

リリース:2005/6/26

メンバー:
Angela Gossow – Vo.
Michael Amott – Gt.
Christopher – Amott – Gt.
Sharlee D’Angelo – Ba.
Daniel Erandsson – Dr.



収録曲:
1. ENTER THE MACHINE
2. TAKING BACK MY SOUL
3. NEMESIS
4. MY APOCALYPSE
5. CARRY THE CROSS
6. I AM LEGEND / OUT FOR BLOOD
7. SKELETON DANCE
8. HYBRIDS OF STEEL
9. MECHANIC GOD CREATION
10. MACHTKAMPF
11. SLAVES OF YESTERDAY

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