【レビュー】DIVINE INTERVENTION / SLAYER

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レビュー

SLAYERの6枚目のスタジオアルバム。

今作からドラムがデイヴ・ロンバートからポール・ボスタフに変わっております。


このアルバムがリリースされた1994年といえば、PANTERAをはじめとしたグルーヴメタル最盛期として、多くのバンドが同じようにテンポを落とし、ヘヴィネスを強調した作品を作っていました。

代表的なのはやはり同じBIG4のMETALLICAでしょうね。


しかしSLAYERはそんな風潮には中指たてて(いたのかは不明ですが)、相変わらずの SLAYER節を炸裂させた本作をリリースします。


その姿勢が、後に「帝王」と表される所以となりました。
(といってもやはり時代の流れには逆らえなかったのか、自作のDIABOLUS IN MUSICAは結構雰囲気変わりましたが)

アルバム全体の感想としては、先述の通り前作までのSLAYERらしさを前面に感じる作品ではあります。

ただ、他のアルバム以上に無彩色というか、冷淡な感じがしますね。
曲自体が、というよりレコーディングというか、音質がそう感じさせるのでしょうか?

ドラムが変わったことで、「迫ってくる」感じがやや後退して、割とタイトから少し後乗り気味?な感じがしました。

まずは1曲目”KILLING FIELDS“。ドロっとしてうねるような出だしではありますが、曲の後半に向けて加速していきます。
最初は”お?大丈夫か?”と思いましたが、最後はちゃんといつものSLAYERに戻った(?)ので一安心。

2曲目”SEX, MURDER, ART,”。過激なタイトル通り、こちらはしょっぱなからSLAYER節炸裂の疾走系ナンバー。

すぐさま3曲目”FICTIONAL REALITY“へと続きます。
テンポ自体は少し落としますが、畳み掛けるようなドラムにより勢い自体は衰えているように感じません。
またそのテンポも曲が進行するとともにさりげなく、しかし大胆に変わっていくので、なかなか聞き応えがあります。

4曲目”DITTOHEAD“はこれもSLAYERらしいさ満載で最初からフルスロットル。
途中少しだけブレイクダウンじみたパートもありますが、終始疾走系で”あ、SLAYER聴いているなぁ”と逆に安心できる曲。

5曲目”DIVINE INTERVENTION“。なかなかおどろおどろしい雰囲気ですが、”SOUTH OF HEAVEN”とは似ているようでやや違った雰囲気。
こちらは冷酷さが際立っているように感じます。
後ノリの刻むようなリズムが印象的。

6曲目”CIRCLE OF BELIEFS”。SLAYERにしては(というかメタル全般としては?)珍しくいきなりボーカルから入る楽曲。
曲調としては2曲目や4曲目と同じくSLAYERらしさ抜群の爆走系。
前述のボーカル入るのも含め、終始圧倒されるような感じ。
個人的にこのアルバムでの最もお気に入り。

7曲目”SS-3“はまた6曲目と同じようにミドルテンポのドゥームな雰囲気で始まりますが、終盤はこれまた一気に加速していき、最終的にはいつものSLAYERへと変わっていきます。
1曲目も同じような感じでしたけど、それよりもっとドラマティックに変わっていく印象。

8曲目”SERENITY IN MURDER“。SLAYERとしてはあまり見かけない、ブルージーかつちょっとモダンな感じの歌唱が入っていますが、全体としては先ほどの7曲目の終盤や6曲目と同じくの畳み掛けるようはファストチューン。

9曲目”213“。SOUTH OF HEAVENのような不穏で不気味な雰囲気満載のスローテンポな楽曲です。
もしくは前作ラストの”SEASON IN THE ABYSS”みたいな感じですね。

ラスト”MIND CONTROL“。待ってましたと言わんばかりの疾走系チューン。
途中で本作でも見られたドロドロとしたミドルテンポも挟みつつも、最後はしっかりと加速しきったまま本作を終えるので、聴き終わった後はスカッとしますね。

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アルバム情報

リリース:1994/ 9 /27
レーベル:AMERICAN

メンバー:
Tom Araya – Vo. Ba.
Kerry King – Gt.
Jeff Hanneman – Gt.
Paul Bostaph – Dr.

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