レビュー
メガデスの2枚目のアルバムにして、彼らを一躍メジャーへと押し上げた作品。前作「KILLING IS MY BUSINESS」と同じくコンバット・レコーズより出す予定であったが、楽曲が完成した後に大手キャピトル・レコードに引き抜かれている。
その後、本作はビルボードに76位にチャートイン。アメリカだけでも100万枚を売り上げている。
アルバム全体を聴いた感想としては、前作と比べどこか不気味さを感じさせる雰囲気を持っている。ただ激しいだけでなく、狂気と面妖さがこのアルバムには含まれている。当時彼らはドラッグに金をつぎ込んでおり、その時の混沌とした精神状況が反映されているのではないかと思われる。
また本作の特徴として、冒頭怪しげな雰囲気で始まり、複雑な展開を見せながら曲の終盤にかけてテンポが速くなり、盛り上がりを見せていくという構成の楽曲が多い。
楽曲解説
1曲目「WAKE UP DEAD」は前奏なくいきなり始まり、そのままメガデスらしい複雑なリフが展開される。
2曲目「THE CONJURING」。やや怪しげな雰囲気を感じさせつつ、何度も異なる展開が繰り広げられる非常に複雑な楽曲。
3曲目「PEACE SELLS」。2曲目以上におどろおどろしい雰囲気をもち、2曲目とは異なりこの雰囲気が長く続き、終盤の盛り上がりも先ほどと比べて控えめ。それが全体的に思い空気を与えている。
4曲目「DEVILS ISLAND」も出だしこそ、怪しげであるが、すぐにスラッシーなパートに移行する。本作の中ではどちらかというと勢い重視な楽曲ではあるが、それでも一筋縄ではいかない展開が見られる。
5曲目「GOOD MOURNING/BLACK FRIDAY」はゆったりと怪しげな前半部分の後、その雰囲気を受け継ぎつつも勢いを増す後半部分へと続く。特に後半部分はこのアルバムの中でもかなり早く、前作を彷彿させる。
6曲目「BAD OMEN」。先ほどの曲の前半部分のような面妖で静かな雰囲気の前奏で始まり、その後プログレッシブ・メタルかのような非常にテクニカルなリフが展開される。そして後半は前奏の雰囲気は何処へやら、非常に攻撃的なパートが展開される。
7曲目「I AIN’T SUPERSTITOUS」は他の楽曲とは雰囲気がガラリと変わり、非常に陽気なリフである。だがこのアルバムに入っているからこそ、それが逆に狂気を感じさせる。
最後「MY LAST WORDS」は前作の「LAST RITES/LOVED TO DEATH」を思わせる前奏から始まり、中盤はどこかクラシカルなメタルの雰囲気をみせつつ、後半にいくにつれどんどん加速していく。
若さと怒りに任せた勢いあふれる前作の空気はまだところどころ感じるが、デイブのいうところの「インテレクチュアル・スラッシュメタル」がはっきりと形となった初の作品であり、今後のメガデスの発展を感じさせる1枚。
◆アルバム情報◆
リリース:1986/9/16
収録曲
1. WAKE UP DEAD
2. THE CONJURING
3. PEACE SELLS
4. DEVILS ISLAND
5. GOOD MOURNING/BLACK FRIDAY
6. BAD OMEN
7. I AIN’T SUPERSTITOUS
8. MY LAST WORDS
メンバー
Dve Mustaine – Gt.Vo.
Chris Poland – Gt.
David Ellefson – Ba.
Gar Samuelson – Dr.
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地方会社員アラサーメタラー。仕事で溜まった鬱憤をメタルに費やしております。
給料は大体メタルの音源かライブ遠征費用に消えるので、なかなか貯金ができないことが目下の悩み。
その他の趣味はバイクとゲーム(主にFPS)。
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