レビュー
彗星のように現れ、世界を相手に活躍している我らが日本のメタルバンド、LOVEBITESの3rdアルバム。
結成は2016年、東京で結成された、メンバー全員女性のバンド。結成から1年後、1stアルバム「Awakening from Abyss」をリリース。その後国内・国外問わず活動を行い、結成からわずか2年で世界最大のメタルフェス、Wacken Open Airに出場。その後はArch EnemyやDragonForceといった大物バンドの前座やサポートもこなし、今最も勢いのある日本のメタルバンドの一つである。
そういった勢いに乗った状況でリリースされた本作、こういった物言いは失礼かもしれないが、とてもメンバー全員が女性とは思えない、非常にパワフルで勢いのある作品である。
もともとこのバンドはパワーメタルバンドということもあって、シンセサウンドも取り入れた壮大な雰囲気が印象に残っているが、本作はシンセサウンドは一部の楽曲でピンポイントで使用されるに留まり、その代わり非常にヘヴィなギターサウンドが前面に押し出されている。
そのため、RAGEあたりのジャーマンメタルを連想させられることが多々ある。
#1「THUNDER VENGEANCE」スラッシーなリフで、早くもこれまでとは違った雰囲気を感じる。
#2「HOLY WAR」は前曲に引き続きごりごりのリフだが、こちらはボーカルラインだったり、シンセサウンドが入っていたりで、パワーメタル感が強い。壮大な雰囲気の本作キラーチューン。
#3「GOLDEN DESTINATION」、ほど良くキャッチーで疾走感のある曲。少しNWOBHM色が出ているのもあり聴きやすい。
#4「RAISE SOME HELL」は モダンヘヴィネス創世記の、重戦車が進軍するかのようなヘヴィなリフが印象的。
#5 「TODAY IS THE DAY」出だしは先ほどのようなヘヴィネスに特化した曲かと思いきや、一気にパワーメタルのような哀愁あるユニゾンのギター。
これらがほど良く融合している。
#6「WHEN DESTINIES ALIGN」は本作随一のキラーチューン。
彼女らが得意とするパワーメタル感を前面に押し出し、また曲の展開がドラマティックに盛り上がりを見せていくので聞いていて非常に爽快。
#7「A FROZEN SERENADE」前半とは打って変わって、少しジャジーな雰囲気も出しつつのメタルバラード。
ただし終盤NWOBHMのような展開が始まり、そこから一気に盛り上がる、壮大な仕上がりの曲。
そこからさらに雰囲気をガラリと変える#8「DANCING WITH THE DEVIL」。
今流行りの70年あたりのディスコミュージック風を取り入れた、ノリのいい楽曲。
#9「SIGNS OF DELIVERANCE」で雰囲気は再び前半の勢いがあるノリに。この曲自体はメロディアスなパワーメタルソング。
#10「SET THE WORD ON FIRE」。スラッシュメタルを通り越し、もはやTHE HAUNTEDのようなデスラッシュの領域に足を踏み入れている。
ただギターソロを含め、要所要所ではやはりパワーメタルバンドとしての荘厳さや優美さを見せており、その調和がなかなか上手くできている。
#11「THE UNBROKEN」はヘビィさは抑えて、ややポップさもある、爽やかなロックテイスト。
ラスト#12「SWAN SONG」はストリングスやピアノの音を取り入れ、鮮やかながらも哀愁も感じられる曲。
バンドとしてさらに完成度を高めており、まだまだ彼女らの快進撃は続きそうである。
アルバム情報
リリース:2020/1/29
収録曲:
1. THUNDER VENGEANCE
2. HOLY WAR
3. GOLDEN DESTINATION
4. RAISE SOME HELL
5. TODAY IS THE DAY
6. WHEN DESTINIES ALIGN
7. A FROZEN SERENADE
8. DANCING WITH THE DEVIL
9. SIGNS OF DELIVERANCE
10.SET THE WORD ON FIRE
11.THE UNBROKEN
12.SWAN SONG
メンバー:
asami – Vo.
midori – Gt.
miyako – Gt. Key
haruna – Dr.
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地方会社員アラサーメタラー。仕事で溜まった鬱憤をメタルに費やしております。
給料は大体メタルの音源かライブ遠征費用に消えるので、なかなか貯金ができないことが目下の悩み。
その他の趣味はバイクとゲーム(主にFPS)。
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