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レビュー
歌姫ジェニファー・ハーベン率いるドイツのシンフォニックメタルバンド、ビヨンド・ザ・ブラックの2ndアルバム。
前作のちょうど1年後に発表された本作。製作にあたっては前作と同じで、プロデューサーはキャメロット、エピカなどをプロデュースしている元ヘヴンズ・ゲイトのサシャ・ピート。そしてレコーディングはバンドメンバーではなく、様々なスタジオミュージシャンが演奏という点も前作と同じ。そのため全体的な傾向も前作から大きくは変わっておらず、聞きやすいシンフォニックメタルといった感じ。ただし、前作はまぁまぁキャッチーな曲が見受けられたが、今作はあまりキャッチーな曲は見受けられず、むしろ重厚な雰囲気の曲が多くなっているように感じる。
#1「LOST IN FOREVER」は本アルバムのタイトル曲にてキラーチューン。先述したように重厚な雰囲気の多い本作において、シンフォニックメタル特有の荘厳さ、重厚さはありつつも爽快さも持っていて、最初に聴き手のハートを掴みにかかっていることがはっきりとわかる楽曲。こういった楽曲が続くのかと思ったら#2「BEAUTIFUL LIES」から一変する。本曲はゆったりとしたテンポではあるが力強い雰囲気の楽曲である。#3「WRITTEN IN BLOOD」は同じようにスローテンポではあるが、こちらはサビで豪華なコーラスが入っていることもあり、ちょっと明るい感じ。#4「AGAINST THE WORLD」はアコギのアルペジオによる静かな雰囲気から始まるが、曲後半にかけて徐々にオーケストラサウンド共に盛り上がっていく曲。#5「BEYOND THE MIRROR」もスローテンポで力強い感じの曲で、続く#6「HALO OF THE DARK」はやわらかい雰囲気ながらも厳かで、それでいてコーラスで温かい感じになっているあたり#2→#3の流れを再現しているように感じる。
#7「DIES IRAE」は曲中盤はやはりゆったりとしながらも、全体的には「メタル」の部分を前面に出しているように感じる。その後#8「FORGET MY NAME」、#9「BURNING IN FLAMES」、#10「NEVERMORE」とこれまでの楽曲のようなゆったりと、しかし力強い雰囲気の楽曲が続くが、正直この辺りはもうちょっとパンチの効いた曲が1曲くらい欲しかった、一応#10はそれなりに盛り上がりを感じるが、その前の2曲とそんなに雰囲気が変わらないのが惜しい。#11「SHINE AN SHADE」は珍しく吠えるような歌唱の男性ボーカルが主要パートあり(一応これと同じボーカルパートは#1にもあったが)、その後本アルバム恒例のコーラスによる明るくも荘厳な雰囲気へと移る。終盤#12「HEAVEN IN HELL」。テンポこそこれまでと同じようなゆったり目ではあるが、しかし本作ではもっともバンドサウンドを前面に出しており、「重々しい」というよりは「ヘヴィ」という表現が似合う楽曲。その後ラスト#13「LOVE’S A BURDEN」のしっとりとしたアコースティックナンバーで締める
全体的にスローテンポの曲が目立ち、#1のインパクトはすごいがそれ以外の楽曲が#1同様かそれ以上に盛り上がる楽曲がなく(強いていうなら#7、#10、#12あたりが候補か)、中だるみを感じてしまうのが正直なところ。ただアルバム全体の雰囲気はしっかりと同一の方向でまとめられているので、10曲以内にまとめたらちょうどよかったかもしれない。
アルバム情報
リリース:2016/2/12
収録曲:
1. LOST IN FREVER
2. BEAUTIFUL LIES(featuring Rick Altzi)
3. WRITTEN IN BLOOD
4. AGAINST THE WORLD
5. BEYOND THE MIRROR
6. HALO OF THE DARK
7. DIES IRAE
8. FORGET MY NAME
9. BURNING IN FLAMES
10. NEVERMORE
11. SHINE AND SHADE
12. HEAVEN IN HELL
13. LOVE’S A BURDEN
メンバー:
Jennifer Haben – Vo.
Nils Lesser – Gt.
Christopher Hummels – Gt.
Erwin Schmidt – Ba.
Tobias Derer – Dr.
Michael Hauser – Key.
*ボーカル以外レコーディングは別ミュージシャン
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地方会社員アラサーメタラー。仕事で溜まった鬱憤をメタルに費やしております。
給料は大体メタルの音源かライブ遠征費用に消えるので、なかなか貯金ができないことが目下の悩み。
その他の趣味はバイクとゲーム(主にFPS)。
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