【レビュー】SEASONS IN THE ABYSS / SLAYER

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レビュー

帝王・スレイヤーの5枚目のアルバム。前前作「REIGN IN BLOOD 」が「スピード」を重視し、前作「SOUTH OF HEAVEN」で「ドゥームさ」を重視した彼が次に出したこのアルバムは、それらを高いレベルで融合させたものである。


メンバーは前作と変わらず、またプロデューサーもリック・ルービンが続投している。つまりは全員が「REIGN IN BLOOD」「SOUTH OF HEAVEN」両方を経験しているからこそ両者のいいとこ取りのアルバムが作成できたといえる。その甲斐あってか、本作はビルボードで最高40位と前作よりも売り上げている。

まず#1「WAR ENSEMBLE」。爆速のスラッシュメタルナンバーで、曲中盤のややテンポを遅くしてメリハリをつけているところなんかも合わせて3rdの1曲目「ANGEL OF DEATH」を連想させる。この時点では「3rdへの回帰か?」と思わせるが、次の#2「BLOOD RED」で早くもそうでは無いということがわかる、同曲はミドルテンポとまではいかなくとも、スレイヤーにしては、前作ほどでは無いにしても、やや遅めの楽曲。続く#3「SPIRIT IN BLACK」も途中までは似たような感じの曲だが、終盤にてテンポアップ。このままスピードを上げていくのかと思ったら、#4「EXPENDABLE YOUTH」、#5「DEAD SKIN MASK」とミドル〜スローテンポの楽曲が続く。特に#5は前作の面影を強く感じる。


しかしその次#6「HALLOWED POINT」は一転してハイスピードな楽曲へとなる。そこから続く#7「SKELETONS OF SOCIETY」はさらにまたスローテンポへと変化し、さらにその後のそのメリハリの付け方の絶妙さによってアルバム全体聴き飽きることがないようになっている。#8「TEMPTATION」はそれを1曲でやってしまっており、始まりこそ高速ナンバーが始まるような雰囲気を持っているし、確かに疾走系ではあるけれども、曲中でテンポを少々落としているパートを設けている。#9「BORN OF FIRE」は正真正銘の疾走系ナンバーである。しかし本曲も間奏部分になると意図的にテンポを落として緩急をつけており、そういった意味では#8とよく似た構成である。ラスト#10「SEASONS IN THE ABYSS」、出だしのおどろおどろしい雰囲気が、これまた前作を連想させる。1曲通してテンポが上がることはないが、その代わりスリリングな展開を味わうことができる。またスレイヤーの楽曲では珍しい6分越えの曲。



これまでの集大成として、スレイヤーとして一つの到達点を迎えた作品である。
ただし残念ながら、本作をもってドラムのデイブ・ロンバートがバンドを脱退してしまう。


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アルバム情報

リリース:1990/10/9


収録曲:
1. WAR ENSEMBLE
2. BLOOD RED
3. SPIRIT IN BLACK
4. EXPENDABLE YOUTH
5. DEAD SKIN MASK
6. HALLOWED POINT
7. SKELETONS OF SOCIETY
8. TEMPTATION
9. BORN OF FIRE
10. SEASONS IN THE ABYSS


メンバー:
Tom Araya – Vo. Ba.
Kerry King – Gt.
Jeff Hanneman – Gt.
Dave Lombardo – Dr.

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