DEMONS / SAVAGE MESSIAH

 

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レビュー

2016年のラウドパークに出演し、2018年に単独でツアーを成功させたイギリス初のスラッシュメタルバンド、サヴェージ・メサイア。その最新アルバムである。

 

私はまだこのバンドのアルバムはこれと、前作「Hands of Fate」しか聞いたことがないが、新たにメタルという音楽を聞いてみたいという人にオススメしたいバンドだと思う。

 

スラッシュメタルの範疇ではあるのだが、スレイヤーやエクソダスといった「ゴリゴリのスラッシュメタル」ではなく、どこか正統派メタルや、逆にメタルコアを感じさせるような感じがする。それはギターのリフもそうだが、ボーカルのデイブ・シルバーの歌声や歌い方の影響も大きい。しかしそれは決して「邪道」とか「軟弱」とか、そんなネガティブなことではなく、スラッシュメタルという男臭い音楽性でありながらどこか爽やかで、しかしどこか叙情性のある、聴いていて非常に心地良い感じである。

 

「静と動」「攻撃性と叙情性」という相反するものを高次元でまとめあげた本作はまさに名盤としての素質を持っており、このようなアルバムを世に送り出したサベージ・メサイアは次世代のメタルバンドの代表格(といっても、すでに10年以上のキャリアを持っているが)として今後も精力的に活躍してほしいものである。

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楽曲解説

前作「Hands of Fate」に比べていくらかパワフルに、アグレッシブな印象を受ける。前作は前作で悪くはなかったのだが、今作は1曲目「VARTUE SIGNAL」がしっかりとスタートダッシュを行い、「そうそう、メタルのアルバムはこうやって始まるんだよ」と、多くのメタラーのハートをガッチリ掴む。そして2曲目「DOWN AND OUT」がそのままの勢いで後につなぐ。個人的に、メタルの名盤の条件には「最初の2曲を聴いて、そのまま最後まで聴きたくなる」ということがあると思うが、今作はこの時点で私にとって「名盤」の予感を感じさせてくれた。

 

続く3曲目「WHAT DREAMS MAY COME」では一転、バラードとまではいかないにしても、裏でクリーンのアルペジオがあるなか全体的に静かな印象を与えつつ、ただ曲の中盤にかけてしっかりと盛り上げている。上記2016年のラウパ参戦時にこのバンドを見たが、このあたりの流れを見ると、やはりMETALLICAの影響を受けているのだろうか。しかしその後4曲目「UNDER NO ILLUSIONS」は逆に出だしのリフはしっかりとしながらも、サビでは逆にしっかりと聞かせるようになっている。

 

そして5曲目「HERTIC IN THE MODERN WORLD」で勢いそのまま繋げた後、6曲目「PARACHUTE」に続く。この曲はカバー曲とのことだったが、最初聞いた時はそのことは知らず、少し違う雰囲気は醸し出すも、アルバム全体にフックをかけるためのものだと思っていた。実際、そのことを知った後改めて聞いてもよくなじんでいる。

 

次の7曲目「THE LIGHTS ARE GOING OUT」が非常に叙情的であったかと思いきや、その後の8曲目「THE BITTER TRUTH」ではまた攻撃的に畳み掛ける。と思いきや、また9曲目「UNTIL THE SHADOWS FALL」でまたまた静かに聞かせ、聴き手を飽きさせることがない。そして10曲目「RISE THEN FALL」と11曲目「STEAL THE FAITH IN ME」と、今までの流れを包括するような曲にて幕を閉じる。

 

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アルバム情報

収録曲

  1. VIRTUE SIGNAL
  2. DAWN AND OUT
  3. WHAT DREAMS MAY COME
  4. UNDER NO ILLUSIONS
  5. HERTIC IN THE MODERN WORLD
  6. PARACHUTE
  7. THE LIGHTS ARE GOING OUT
  8. THE BITTER TRUTH
  9. UNTIL THE SHADOWS FALL
  10. RISE THEN FALL
  11. STEAL THE FATH IN ME

メンバー
Dave Silver – Vo.Gt.
David Hruska – Gt.
Mira Slama – Ba.
Charly Carreton – Dr
(ただし、アルバム作成時にチャーリーはまだバンドに加入しておらず、Daniel Wilding, Ali Richardsonというドラマーにてレコーディングを行っていたとのこと)

 

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