【レビュー】RIDE THE LIGHTNING / METALLICA

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レビュー

王者メタリカの2ndアルバム。今なおライブで演奏されることの多い楽曲も多く、その後のメタリカの方向性を決定づけた1枚。

前作のアルバムを先に聞いているのなら、このアルバムでメタリカというバンドの音楽性が変わった…いや「進化」していることが確実にわかるはずだ。前作は勢い任せでまだまだ荒削りであったが、今作から天才クリフ・バートンが作曲に参加。勢いだけでなくメタリカ特有の叙情性が付与されている。

また、このあと4枚目「…AND JUSTICE FOR ALL」まで続く、様式美が本アルバムで完成されている。すなわち、「1曲目は静かなイントロで始まりながら一転して勢いのある曲」「2曲目はミドルテンポでやや長めの曲」「3曲目は2曲目の延長線上のミドルナンバーで、4曲目がバラード調の静かな、それでいて曲の後半に盛り上がっていく」「一転して5曲目はまた早い曲」「その後一旦ペースを落としながら、最後に向かって加速していく」という様式である。ただ3枚目「MASTER OF PUPPETS」と4枚目「…AND JUSTICE FOR ALL」は「ラストに高速ナンバーで締めて、その一つ前は静かなインスト曲」となっているが、このアルバムはその関係性が逆になっている。つまり「高速ナンバーを置いた後に、ラストに比較的静かなインスト曲」となっている。

セールス的には次作の方が優れているが、ファンの間ではこちらの方がいいという声も少なくない。メタリカが今の地位に至るきっかけとなった歴史的名盤である。

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楽曲解説

1曲目「FIGHT FIRE WITH FIRE」は静かなクリーントーンのギター3重奏で始まったかと思ったら、当時世界最速と評された(事実かどうかは別として)爆速ナンバー。ただ勢いがあるだけなら前作と変わらないが、先にも述べたイントロやギターソロのハモりなど、前作との違いが早くも感じ取れる。

2曲目「RIDE THE LIGHTNING」。1曲目の勢いは殺さず、それでいてミドルテンポでしっかりと聞かせていくナンバー。曲中盤のインストパートの盛り上がりが素晴らしい1曲。ちなみにこの曲にはメガデスのデイブ・ムステインの名前がクレジットされている。

3曲目「FOR WHOM THE BELL TOLLS」はこの曲で最もヘヴィな楽曲。怖ろしげに、死んでいく者の心情を歌ったナンバー。

4曲目「FADE TO BACK」はもの悲しげな曲で、歌詞の内容も失恋ソングのように思える。だが実際は、機材が盗まれた時の心情を歌った曲とのこと。たしかにバンドにとって機材は商売道具なので、ここまで絶望する気持ちもわかる。

5曲目「TRAPPED UNDER ICE」は一転して前作ばりの勢いある楽曲で、その次6曲目「ESCAPE」は逆に再度ミドルテンポの楽曲となっている。どちらかというと6曲目は次の7曲目への繋ぎの曲である(後述するが、次の曲が超名曲なので仕方がない)。

で、その7曲目「CREEPING DEATH」はこのアルバムのみならず、メタリカ自体を代表するナンバー。これまた前作同様の勢い重視の曲かと思いきや、ギターソロの後に入るミドルテンポパートで緩急をつけ、その後再加速して再度まで突っ切る。

ラスト「CALL OF KTULU」。怪しげなアルペジから始まり、徐々に迫力とともに不気味さをましていく様はまさにクトゥルフ神話の代名詞、旧支配者「クトゥルフ」が復活するという様を忠実に再現できている。この曲にも、さきほどメガデスのデイブ・ムステインの名前がクレジットされている。
(まったくの余談だが、日本語訳はどちらも「クトゥルフの呼び声」であるが、元となった小説のタイトルは「The Call of Cthulhu」と、微妙にタイトルがちがう。そしてクトゥルフのスペルも違う。もっとも、クトゥルフのスペルは何通りかあるので、こちらのタイトルのスペルが間違っている訳ではない)

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アルバム情報

リリース:1984/7/27

収録曲
1. FIGHT FIRE WITH FIRE
2. RIDE THE LIGHTNING
3. FOR WHOM THE BELL TOLLS
4. FADE TO BACK
5. TRAPPED UNDER ICE
6. ESCAPE
7. CREEPING DEATH
8. CALL OF KTULU

メンバー
James Hetfield – Vo. gt.
Kirk Hmamet – Gt.
Cliff Burton – Ba.
Lars Ulrich – Dr.

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