レビュー
メロディックデスメタルの代表格、アーチエネミーの記念すべき1枚目のアルバムです。
今でこそアーチエネミーといえば女性Vo.がグロウルで歌うスタイルが印象的ですが、結成当時から3枚目、Burning Bridges まではヨハン・リーヴァという男性Vo.でした。
そのため最近のアルバムやライブで彼らを知った方であれば、少し驚くかもしれないですね。
1枚目、ということもあるのか、はたまた男性Vo.と女性Vo.の違いなのか、4枚目以降のアルバムに比べるとダークでアンダーグラウンドな雰囲気を感じます。
現在のアーチエネミーはギターが2音下げですが、ヨハン期は2音半とさらに低いことも影響しているのかもしれないですね。
惜しむべくはこのアルバムが発表された時代でしょうか。
このアルバムは1996年リリースですが、90年代後半といえばまさにメタル冬の時代。
ましてギターソロはダサいとされていた時代です。
おかげでヨーロッパではあまり売れず、今でもアーチエネミーといえばアンジェラ、アリッサの女性Vo.時代ばかりが認知されています。
(まぁ日本でも新規で聴き始めた人はそうだと思いますが・・・)
しかしながら、エクストリームでありながらも叙情性ただようその音楽性は、遠く離れた我らが日本人の感性に刺さったようで、予想外の反響を受けました。
本来はプロジェクト的な立ち位置にする予定だったのですが、この日本でのヒットを受けてバンドとして継続することを決意したそうな。
結構日本で先行してヒットして、その後世界的なバンド、アーティストになったと言う例はたびたび聴きますが、彼らもまさにそのケースだったと言うわけです。
1曲の「Bury Me an Angel」はいきなり重低音かつファストなリフを聞かせたかと思いきや、その後すぐにツインギターの哀愁ただようフレーズに行くので、初めて聴いたときから惚れてしまいました。
その後の「Dark Insanity」へも勢いを落とさずすかさず畳み掛けるようになっており、最初の2曲で一気に聴き手の心をつかんでしまう。
その後「Eureka」「Idolatress」としっかりと聞かせながらもアグレッシブなナンバー続き、途中「Demoniality」で一旦緩急つけながらも、最後の「Fields of Desolation」まで一気に駆け抜ける。
まだ1枚目と言うことでちょっとアルバムとしてはまとまりがないような感じもしますが(まぁ前述のとおり、もともとプロジェクト的な立ち位置だったし)、十分に聞き応えのある内容です。
アルバム情報
収録曲
- Bury Me an Angel
- Dark Insanity
- Eureka
- Idolatress
- Cosmic Retribution
- Demoniality
- ransmigration Macabre
- Time Capsule
- Fields of Desolation
メンバー
Johan Liva – Vo.Ba.
Michael Amott – Gt,
Christopher Amott – Gt.
Daniel Erlandsson – Dr.
地方会社員アラサーメタラー。仕事で溜まった鬱憤をメタルに費やしております。
給料は大体メタルの音源かライブ遠征費用に消えるので、なかなか貯金ができないことが目下の悩み。
その他の趣味はバイクとゲーム(主にFPS)。
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