レビュー
今やその面影はなりを潜めてしまった、メロディックデスメタルのパイオニア、IN FLAMES。
その5thアルバム「CLAYMAN」がリリース20周年ということで販売された記念盤。
前述した通り、初期の彼らはメロディックデスメタルの中核をなす存在であったが、今は音楽性がかなり変わっていて、独特の音楽性(強いていうならオルタネイティブメタル)となっています。
一応最新作の「I, THE MASK」はちょっとメロデス時代の面影を感じるところがあったり無かったりはしますが、まぁかつてほどではないです。
ちょっと話は脱線しましたが、このCLAYMANはIN FLAMESがメロディックデスメタルとして分類されていた時代の最後のアルバムであり、よくよく聴いてみると、その後の音楽性の変化の布石が気のせいと感じるレベルであったりします。
そのオリジナルの「CLAYMAN」に関してはまた別の機会にするとして・・・
この20周年記念盤はオリジナルと何が違うかというと、インストの新曲が1曲+本作から何曲かがリレコーディングされています。
リレコーディングされた楽曲は以下の通り↓
・ONLY FOR THE WEAK
・BULLET RIDE
・PINBALL MAP
・CLAYMAN
他の楽曲は収録されていないわけではなく、オリジナルのCLAYMAN+これらって感じで、いわゆるボーナストラックってな位置づけですね。
一応オリジナルの楽曲もリマスターされていて、ちょっと音が前に出てくる感が増した感じはします。
話をリレコーディングされた楽曲に戻しますが良くも悪くも今のIN FLAMESが演奏するCLAYMANってだけで、正直それ以上でもそれ以下でもないなってのが正直な感想です。
(プロデューサーも直近2作品で担当しているHoward Bensonですし)
ただしAndersのクリーンボーカルに関してはやはり今の方が上手いですね。
透き通るような声というわけではないですが、どこか哀愁漂うクセになるような歌声をきちんと活かせています。
あとオリジナルと比べてサウンドがちょっとラフというか、生々しい感じがしますね。
演奏自体はキッチリしていますが、それがサウンドとちょっとミスマッチに感じて不思議な感じです。
また大胆なアレンジはされていませんが、ちょいちょい音が付け足されていたりしますので、オリジナルと聴き比べる楽しみはあります。
(Arch Enemyの The root of All Evil」みたいな感じと言ったら伝わるかしら?w)
ま、結局のところ「これはこれで」っていう感じなので、今も昔も変わらずIN FLAMESが好きですっていう人は買っても損しないんじゃないかな?と思います。
なんやかんや言うとりますが、割りと気に入りましたよ。
(「CLAYMAN」のイントロのキーボードサウンドはもうちょっとなんとかならんかったかなぁ・・・そこだけ残念)
そうそう、追加楽曲の「THEMES AND VARIATIONS IN D – MINOR」ですが、これはオーケストラのインスト曲で、このCLAYMANの各楽曲のフレーズが取り入れられております。
リレコーディングの楽曲はこの後に続くので、その前の箸休め的な立ち位置かな?
オリジナルの「CLAYMAN」のレビューはまた機会があれば \m/
【輸入盤CD】In Flames / Clayman (20th Anniversary Edition) (Digipak)【K2020/8/28発売】(イン・フレイムズ) |
アルバム情報
リリース日:2020/8/28
収録曲:
1. BULLET RIDE
2. PINBALL MAP
3. ONLY FOR THE WEAK
4. AS THE FUTURE REPEATS TODAY
5. SQUARE NOTHING
6. CLAYMAN
7. SATELLITES AND ASTRONAUTS
8. BRUSH THE DUST AWAY
9. SWIM
10. SUBURBAN ME
11. THEMES AND VARIATIONS IN D – MINOR
12. ONLY FOR THE WEAK (RE – RECORDED)
13. BULLET RIDE (RE – RECORDED)
14. PINBALL MAP (RE – RECORDED)
15. CLAYMAN (RE – RECORDED)
地方会社員アラサーメタラー。仕事で溜まった鬱憤をメタルに費やしております。
給料は大体メタルの音源かライブ遠征費用に消えるので、なかなか貯金ができないことが目下の悩み。
その他の趣味はバイクとゲーム(主にFPS)。
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