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レビュー
デンマークの国民的バンド、ディジー・リズ・リジーにデビューアルバム
結成のきっかけは、フロントマンのティムの家族がコペンハーゲンのとある街に引っ越しをした際、転校初日にベースのマーティンと同じクラスになったこととのこと。ちなみにバンドを組むということになったものの、マーティンは何も楽器を演奏できず、ティムが既にギターをしていたからという理由でベースを始めることになった。その後友人の紹介でソレンが加入した。その後、(今では想像できないが)あまりにティムがシャイであるがために、ギターボーカルの4人目を探したものの、結局デモのときに歌っていたティム以上の人材を見つけることができず、ティムがギターボーカルをすることになったため3人編成で活動することとなる。
当初はEuropeやBon Joviなどのグラム・ロック勢の影響下にあったが、Nilvanaに衝撃を受け、音楽性をオルタネイティブ・ロック、ガレージ・ロック路線へと変更した。本作はそういった経緯を持ちリリースされたアルバムである。
先述の通り、本作はオルタナ、ガレージ・ロックの範疇に入るアルバムではある。そのため、根っからのメタラーからすると、ちょっと大人しく感じるかもしれない。しかしよくよく聴いてみると、土台にあるのは骨太のハードロックである。聴き込めば聴き込むほど、実は意外と硬派な作品であることに気づくことになるだろう。
#1〜#2の「WATERLINE」は静かなイントロから本編への切り替えもそうであるし、曲の中でも緩急をつけ聴き応えは抜群で、それはその後の#3「BARBEDWIRED BABY’S DREAM」にも引き継がれている。#3のスリリングかつソウルフルな間奏は必聴。その後に続く4「LAVE IS A LOSER’S GAME」は優しくも憂げな雰囲気の曲。
#5「GLORY」はこのバンドを代表とする名曲。軽やかなメロディに、どこか哀愁漂う雰囲気、そしてこれまた感情のこもった間奏と、どれをとっても完璧な曲である。その後ロック色の強い#6「67 SEAS IN YOUR EYES」、静かながらも引き込まれるようなメロディの#7「SILVERFLAME」と続く。8「LAVE ME A LITTLE」は曲を通じてノリの良い、程よいテンポで進行していくが、最初はベース主体だったのに、気づけばどんどん音が付け足されていく。
#9「MOTHER NATURE’S RECIPE」、#10「…AND SO DID I」とロック色の強い楽曲が続き、#11「WISHING WELL」。明るく、流れるようなテンポとメロディが心地よい。所々のティムの力強いソロが光る、本アルバムでもかなり気にっている曲。#12「HIDDEN WAR」は歌詞は結構攻撃的なのに、雰囲気は静かでノスタリジック。#13「FOR GOD’S SAKE」、#14「TOO CLOSE TO STAB」とロック色とオルタナ色が程よく混ざった曲が2曲続き、本編は終わる。
なお日本盤ではボーナストラックとして#15「HURRY HURRY」が収録されている。
本作はデンマークだけで当時220万枚、さらに日本でも100万枚の売り上げを記録している。デビューアルバムでこれだけの売り上げができるということで、いかに彼らの才能が優れているのかがわかるし、アルバム自体を聞けば「なるほど」と思えるだろう。
アルバム情報
リリース:1994/3/4
メンバー:
Tim Christensen – Gt. Vo.
Martin Nielsen – Ba.
Søren Friis – Dr.
収録曲:
#1 WATERLINE INTRO
#2 WATERLINE
#3 BARBEDWIRED BABY’S DREAM
#4 LAVE IS A LOSER’S GAME
#5 GLORY
#6 67 SEAS IN YOUR EYES
#7 SILVERFLAME
#8 LAVE ME A LITTLE
#9 MOTHER NATURE’S RECIPE
#10 …AND SO DID I
#11 WISHING WELL
#12 HIDDEN WAR
#13 FOR GOD’S SAKE
#14 TOO CLOSE TO STAB
#15 HURRY HURRY *日本盤ボーナストラック
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地方会社員アラサーメタラー。仕事で溜まった鬱憤をメタルに費やしております。
給料は大体メタルの音源かライブ遠征費用に消えるので、なかなか貯金ができないことが目下の悩み。
その他の趣味はバイクとゲーム(主にFPS)。
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