レビュー
イギリスが産んだ現代の奇才集団、Bring Me the Horizonの6枚目のアルバム。
結成は2004年。当初はデスコアに分類されていたが、その音楽性はどんどん変化していき、現在ではオルタネイティブ・ロック、ポップ・ロック色が強い。
本作についての話をすると、非常に多様な音楽ジャンルを取り入れていることがわかる。先述したジャンルはもちろん、EDM、エレクトロポップ、はたまたHR/HM要素すらもある。
例えば、ロック色が強いのは#2「MANTRA」 うねるようなリフ、オリヴァーの力強いシャウトといったように、普段このような音楽を聴かない私のようなメタラーにも純粋に突き刺さる曲。 #5「wonderful life 」はあのCRADLE OF FILTHのDani Filthがゲストで参加。曲調はEDMだが、ギターサウンドが比較的前に出ているのでロック好きにオススメ。ただ念のため言っておくが、ダニが参加しているからといって、生粋のブラックメタルを求めないように。また#8もロック色がそこそこ強いかも。
一転してエレクトロニカな要素が強いのが#3「nihilist bues」と#4「 in the dark」、#9「why you gotta kick me when i’m down?」あたり。ただこういった「比較的ロックっぽい」「比較的エレクトロニカっぽい」というのはあっても、完全にどちらと割り切れず、同じ曲であっても表情ががらりと変わったりもする。
#7は本作のキラーチューン。ポップロック調で比較的のれるリズムでありつつ、色彩豊かなバックに彩られ、一言では言い表せない多様な表情を見せる楽曲。また同じくポップロック調であるのは#11「mother tongue」も該当するか。
なお、#12「heavy metal」はタイトルとは異なり、それほどメタル色は強くないということは言っておく。ただ、歌詞を見るとどことなくこのタイトルに納得してしまう。スペシャルサンクス、The Black Dahlia Murder?(詳細はぜひ歌詞を見てほしい)
決して「メタル」と断言はできないし、多くのメタラーには受けないかもしれない。ただその卓越した表現力と多様な音楽性は、非常に魅力的である。
アルバム情報
リリース:2019/1/25
メンバー:
Oliver Sykes – Vo.
Lee Malia – Gt.
Jordan Fish – Programming, Key.,Percussion
Matt Kean – Ba.
Matt Nicholls – Dr.
収録曲:
1. i apologise if you feel something
2. MANTRA
3. nihilist bues feat. Grimes
4. in the dark
5. wonderful life feat. Dani Filth
6. ouch
7. medicine
8. sugar honey ice & tea
9. why you gotta kick me when i’m down?
10.fresh bruises
11.mother tongue
12.heavy metal feat. Rahzel
13.i don’t know what to say
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地方会社員アラサーメタラー。仕事で溜まった鬱憤をメタルに費やしております。
給料は大体メタルの音源かライブ遠征費用に消えるので、なかなか貯金ができないことが目下の悩み。
その他の趣味はバイクとゲーム(主にFPS)。
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